水無月・らっきょう漬けの頃



はじめまして。noumore のたかです。

日々の暮らしの中で感じたことなど綴ってみます。

 さて、もう6月。傘を手に梅雨空を気にしつつ近所の八百屋さんへ行きますと、たくさんの土付きらっきょうが並んでおりました。

「ああ、もうそんな季節なのかなあ。」

 と、通り過ぎ、

「あ、でも塩らっきょう食べたいな。」

 と、思い直し、

「でも、皮をむくのは大変だなあ」

 と、目をそらし。

 それでも移ろいゆく季節を手中に収めたくて一かご買い求めました。

 

 鹿児島産の大きくて立派ならっきょう。

よく見ると根には土ではなくてさらさらした砂がついておりました。

「え?らっきょうって砂地で育つの?」

「そういえば、鳥取県も確からっきょうの産地のはず。鳥取といえば砂丘?」

「しかしこんなに滋養がありそうな作物がほとんど栄養がなさそうな砂地で育つものなのか??」

と、頭の中は?でいっぱいになりました。

あらためて調べてみると鹿児島県南さつま市の吹上浜沿岸はらっきょうの産地ということでした。そして鳥取砂丘、静岡・南遠大砂丘とともに日本三大砂丘の一つなのだそうです。そして栄養の乏しい砂地でもよく育つらっきょうの栽培が盛んとのこと。

頭の中に風景が浮かびました。南さつまの青くて美しい海に47Kmもの海岸。真っ白い砂地一面に緑色に広がるらっきょう畑。南国らしい気持ち良い海風が吹いてきそうです。

 しかも南さつま市は砂丘畑を区画貸し出ししているらしいのです。

心地良い海風に吹かれながらの農作業。なんだか童話的です。

 吹上浜で暮らしているような気持になりながららっきょうの皮むきを終えました。

らっきょうを漬けた年は夏バテしない。なんとなくそんなことを信じています。

薤白という漢方薬でもあるらっきょう。フラクタンという水溶性食物繊維を含み、ビタミンCもカリウムもいっぱい。ダイエットにもよさそうです。

甘みをいれない塩らっきょう。料理の素材としても、ソースの材料としても便利に活用できます。うれしい気持ちで仕込みを終えました。来週には食べられることでしょう。

NOUMORE

NOU MOREは、福岡市科学館・IT関連講座から生まれたユニットです。生活者の立場から「農」に興味を持つこと、知ることを通じてよりよい「未来の農」のあり方を模索します。誰でももっと身近に気軽に、そして自分事として「農」とかかわる事ができたらいいな、と考えています。